土曜日。
日も暮れてきた。
1人で飯でも炊くかと思ったが無性にめんどくさくなった。
クーラーボックスには出来合いのおでんが2パックあるので6インチダッチに放り込むと、あらぴったり。
火にかけてあっためはじめる。
でもこんだけ知り合いがいるのに、1人でおでんをつついて呑むというのも侘びしすぎる。
それにまだ宵の口だし。
夕食を中断し、500mlのビール片手に会場をふらふらする。
チュンチュンさんのアウトドアディナーが始まったようだ。
moritatuくんも手伝ってるな。
お隣のScrew Driverさんにもホットラムを求める人たちが集まりはじめた。
ステージではそろそろライブもはじまるのかな。
そうだ、女子エリアはどうなってるかな?
男子禁制とかいわれて追い出されるかな?
半ば開き直りで女子エリアに突撃。
すると
「あ、ビンゴさん、いらっしゃ〜い」
「ここどーぞ」
とスンナリ焚き火の輪の中に招きいれられた。
座ったのは件の
こまきの隣。
「初めて会った頃はまだ女子大生だったよな」
「あたしも兄さんだった頃のビンゴさん知ってるし」
うっ、つまり今じゃ兄さんじゃないってことか?過去形か?
相変わらず手厳しいヤツだ。
そんなバカ話してると
5Dあかねちゃんが、火から遠目のオレに炭が入ったチビ焚き火を貸してくれた。
おぉ火鉢みたいじゃ。
優しいのう。
しばらく歓談してると、お料理のお裾分けが回ってきた。
奥以外の女性の手料理なんて久しぶりぢゃん。
せっかくなので、自分のサイトに戻っておでんを取ってきて、お裾分けのお返し。
うん、やっぱりおでんはみんなでつつくのが美味い。
まだおでんが余ってたので、鍋を持ったまんま“よろず相談所”に
「おでんいかがですかぁ〜」
と殴り込みをかける。
寒い夜に熱々のおでんは最強アイテムかもしれない。
そんなこんなで勝手に居座っていると、小雀さん作のすき焼きがマカナイとしてよろず相談所に持ち込まれた。
まさかキャンプですき焼きとは…。
居合わせたオレもお裾分けにありつく。
冷え冷えの溶き卵に、熱々の牛肉やネギをからめて一口で食らう。
「んめ〜!」
あっさり最強アイテムの座はすき焼きに取って代わる。
その後もいろんなところに顔出ししてるうちにベリー・スリーピーになってきた。
そりゃそうだ。昨晩、寒くて熟睡できていない。
ランドネエリアではスライドショーがはじまるみたいだが、もう限界。
22時を回ったところでマイテントに逃げ込む。
昨晩の失敗を糧に、寝床の準備を始める。
まず、ORIGAMIの中は、カセットガスヒーターで暫くあたため余熱を蓄える。
次にコットの上にインフレータブルマットを敷く。これで下からの断熱になる。
TNFのプリマロフトのジャケットを着てフードも被ってドローコードで締める。
下もMEのもこもこパンツを履いて、さらにシュラフに湯たんぽを入れる。
この状態になったらヒーターを消してシュラフに潜り込む。
おおおおおおぉ、温かい。
むしろ暑いくらいだ。
ぽかぽかしてる状態ですぐに睡魔が襲ってきた。
遠くの方ではまだ賑やかな声が聞こえるが、関係ない。
即墜ち。
zzzzzzz
翌朝、8時まで一回も目覚めることなく快眠した。
最終日に続く。
to be continued...