脚が攣る程滑った後は、温泉で癒やすにかぎる。
天下の温泉場、野沢温泉に来てるのなら尚更だ。
野沢温泉街には、大小様々な外湯があり、無料で入湯できる。
スキー場の駐車場に車を停めたまま、長坂ゴンドラから程近い「秋葉の湯」へ歩いて向かうことにした。
ゲレンデ内をパーカーとジーンズにスニーカー、そしてタオル1本肩に引っ掛けて横切る。
ゴンドラ下から温泉街の細い路地をぷらぷら歩く。
思えば、大学の卒業旅行ではじめて野沢温泉に来た時、タオル1本持って外湯巡りしたっけ。
今からちょうど20年前。
年を食って身体も衰えたが、気持ちはあの頃と少しも変わらない。
秋葉山神社を通り過ぎて、一つ目の角を左に曲がるとこじんまりとした秋葉の湯が現れる。
狭い脱衣場、湯船から立ちのぼる硫黄の匂い。
野沢温泉のほとんどの外湯に、洗い場はない。
つまり湯船に浸かるだけ。
そして熱い。
「あーーーーっちっ!」
「あっ!つぅー!」
と湯船の縁で叫ぶ。
全員、上島竜兵状態。
蛇口から水を足してなんとか入れる温度になった。
湯船の中で疲れた足をほぐす。
ほんの10分ほど浸かっただけで、体の芯から温ったまった。
火照った体に外の冷たい空気が心地いい。
車に戻って、スキー場を後にする。
帰る前にどうしても案内したいお店があった。
「みさと」というお土産屋。
このお店、試食がハンパねぇ。
お菓子や野沢菜の試食ができるのは当たり前。
なんと、漬け物やふりかけのコーナーには、炊飯器とお茶碗が置いてある。
つまり、自分でご飯をよそって、色んな漬け物やふりかけを乗っけて試食できるのだ。
これだけでも衝撃的だが、さらに店の奥にはカップラーメン(ホームラン軒 信州みそ仕立て)が積んであり
「信州限定 カップラーメン 試食どうぞ!!」の札が。
カップラーメン1つ丸ごと試食とは、すでに試食の概念を超越している。
何度かここに来ているオレでも、カップラーメン丸ごとははじめて。
ましてや初見の3人は「マジっすか!」「ウケる!」と悶絶。
もちろん件のカップラーメンは完食した。
各自2000円ぐらいお土産を購入したから、お店の戦略にまんまとハマっている。
一回行くと誰かに教えたくなるし、試食したら買いたくなる品ばかりだ。
無料お試しは古典的な手法だが、一般的なお試しの常識を越えているところに心理的ギャップが生まれる。
ギャップによって笑いや話題が生まれ、行動が促される。
田舎の温泉場にしては、実に計算されたマーケティングだ。
パウダースノー、温泉、お土産と野沢温泉をフルコースで満喫して帰路へ。
渋滞もなく、ノーストレスで帰宅。
いい休日でした。
おしまい
p.s.
月曜日に海に行こうとしていたのに、激しい筋肉痛にみまわれ断念。
skins履いとけばよかった…。