ニセコ グラン・ヒラフにはアーリーモーニングというサービスがある。
モーニングといっても、コーヒーとトースト&スクランブルエッグのセットではない。
全てのリフトが運行をはじめる30分前に、先行して運行するキング第2クワッド(旧センター4)に500円で乗れるというものだ。
前日にたっぷり降っていれば新雪のノートラックが期待できるし、ビシッとピステンがかかったグルーミングバーンにエッジを噛ませてギュンギュン走ることもできる。
ツアーのお客さんたちに希望を聞いてみると全員行くとのこと。
ペンションのマイクロバスで送迎して、オープン前のリフトに並ぶ。
このワクワク感がたまらない。
前日降っていた雪は、夜半過ぎには降り止んだらしく完全リセットとはいかないようだが、まずまず。
スネ〜ヒザ、所によりモモのフレッシュパウダー。
グルーミングバーンも広々使って高速ロングターン。
たかが30分、されど30分。
喫茶店じゃなくても、やっぱりモーニングはお得。
2日めは、現地在住のプロライダー2名にガイドをお願いしてある。
9時にゴンドラ乗り場で合流してチーム分けする。
男性プロには参加者の中でも上級者を集めて“ゴリゴリチーム”、女性プロには中級者を集めて“ガッツリチーム”、その他スタッフがガイドする“まったりチーム”“ゆったりチーム”に分かれる。
オレは“ガッツリチーム”のケツ持ちしながら撮影担当だ。
花園ゲレンデに向かいストロベリーフィールドと呼ばれるコース外を中心にガイドしてもらう。
オープンバーンやツリー、マッシュ、ナチュラルウェイブなど地形の変化が面白い。
リピーター参加者は知っているが、初参加の方はコース外をこんなに滑れることに驚いている。
しかしこれは、ニセコローカルの長年に渡る取り組みで作り上げられた「ニセコルール」と、安全に滑れるルートを把握し誘導してくれるガイドのおかげなのだ。
山の事、雪の事を知れば知る程、そのありがたみに気付く。
ランチタイムはレストハウスKING BELLで“磯塩ラーメン”と“鮭おむすび”。
美味い!
でもちょっと海で溺れかけた時の記憶が蘇る味。
午後は、チーム分けを変えてオレは1人で6人を案内する。
“ロイズ”“裏見晴らし”などゲレンデマップには記されていない呼び名のコース外エリアを行く、飽くなきパウダー探検隊。
さすがに2日めの夕方までくると、脚がパンパンだ。
集合時間よりちょいと早めに上がって、セイコーマートで買い出しをする。
一頃よりは落ち着いたようだが、豪州バブルでニセコはオージー向けの別荘だらけになった。
今も、街にゲレンデにオージーが闊歩している。
もちろんセイコーマートもオージーだらけ。
なんだか日本じゃないみたいだ。
この日の晩は、ツアー恒例のパーティ。
メインイベントは大抽選会。
協賛各社からのプレゼントが盛りだくさん。
ゴーグルやバインディング、ウェアにボードまで空くじ無しの大盤振る舞い。
もちろん大盛り上がり。
ボードを当てた男子は、パーティ後にさっそくワックスがけ始めた。
どうやら明日使うらしい。
パーティがお開きになった後も、みんなのテンションが収まる気配はない。
大部屋では二次会に突入し、宴は続く。
この人たちに、明日はあるのか…。
3日めに続く。