3日め。
元気にアーリーに向かう人。
筋肉痛でひーひー言う人。
二日酔いでどんよりしてる人。
そんな朝の光景で始まった最終日。
後発隊を引き連れてゲレンデへ向かう。
天気は回復に向かうという予報だがまだ雪がちらついている。
少し気温も高め。
中腹は少しガスっている。
9時にゴンドラ乗り場に集合して、最後のチーム分け。
二日酔い多数の“ゆるゆるチーム”を担当する。
雪は降ったり止んだりでそれほど積もっていないので、残り物のパウダーを探しながらクルージング。
イージーアクセスのイージーパウダー。
いたるところにトラックは入っているが、探せばまだまだノートラックが残っている。
この懐の深さがニセコの魅力でもある。
トランシーバのイヤーモニターには、これまでずっと閉まっていたピークに向かうゲートがオープンしたという情報が入ったが、ゆるゆるチームはマイペースでクルージング。
天気が良ければピークまでハイクアップしようとは考えていたが、視界の悪い中、11人を引き連れて安全を確保できる自信はない。
それでもゲレンデ上部にはオモローバーンはたくさんある。
自然の地形を活かしてサーフィンライクな滑り方をしたり、小さなギャップで飛んでみたり、やっぱりスノーボードは楽しい!
自分的には、ツリーラン(木の間をすり抜ける)が一番楽しい。
聞いたところによると、程よい間隔に並んだ木々の間を滑走すると「1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ」を体感できるんだとか…。
自分のペースでターンできるオープンバーンと違い、ツリーランでは迫り来る木々によってターンを余儀なくされる。
が、そこにはたしかに自然界のリズムが存在する。
宇宙に浮かぶ星たちがロッシュ限界を超えないように、自然の木々も生き延びるためにある程度の間隔を保っている。
ターンを重ねるごとに癒やされるのも納得できる。
午前中の滑走を終え、正午から少し遅れてレストハウスに入ると満席で座れる席がない。
お客さんたちを優先的に座らせて、自分は喫煙所へ。
ガラナとタバコで空腹を紛らす。
14時半の終了に向けて、ゲレンデ上部を数本案内し、そこからゲレンデベースまでロングラン。
ニセコの街を見下ろせる辺りまで降りたところで、正面に羊蹄山が姿を現した。
山頂付近には雲がかかっているものの、3日めにしてようやく羊蹄山のシルエットを拝むことができた。
思い起こせば9年前。
初めてニセコに来た時に見た羊蹄山は、ほれぼれするほど美しかった。
雲一つない快晴にくっきりと姿を見せた独立峰には、富士山とはまた違う神々しさを感じた。
しかもナイター滑走の時は満月で、羊蹄山の左手に浮かぶ真円の月に照らされて、照明のないコースを月明かりだけで滑ったっけ。
いつの日か、もう一度体験したいものだ。
ペンションに戻って、帰り支度を済ませ、貸切バスで千歳空港へ。
18時半に千歳空港到着。
羽田組のフライト時間までは間があったが、大阪組、名古屋組とここでお別れ。
お土産屋を巡っていると、美味しそうな鮭のハラスが売っていた。
けっこう高くて断念したが、その後レストランを探していたら海鮮系のお店で鮭ハラス焼きの単品を発見!
一緒にいた仲間たちは海鮮丼や鮭トロ丼をオーダーしてたが、オレは迷わす鮭ハラス焼きとライスをオーダー。
醤油をはじくくらい脂が乗っている。
んまい!
花畑のホエー豚にも惹かれたが、ハラスにして良かったかも。
21:25の羽田行きで北海道を後にした。
2泊3日の北海道の旅はこれにて終了。
今後、ツアー引率の仕事は若手に任せることにする。
次に来る時はプライベートで、思う存分滑ろう。
Peace out!