社員旅行…いや、どちらかというと社員研修…で、平日一泊二日、白馬に行ってきた。
初日はHakuba47でスノーパークを滑り、翌日は白馬のバックカントリーを滑るというプラン。
「え、この時期に?」と思われる方も多いかもしれないが、GWまでオープンしているゲレンデはけっこうあるものだ。
初日のHakuba47。
ゲレンデベースに雪はない。
ゴンドラ1本上っていくときっちり整備されたスノーパークがある。
平日だというのにけっこう人が集まっている。
パーク以外は黄砂まじりの汚れた雪で、あまり楽しめる状況じゃないので、パークでがっつり遊ぶ。
自分的には飛びやすいサイズのキッカーがあって楽しかった。
途中から雨がザンザン降ってきたので、切り上げて、“
樅の木ホテル”にチェックイン。
八方尾根の奥側にある瀟洒なホテル。
ロビーには暖炉と薪、そして暖炉の横には古めかしいスキーが並べてある。
夕方からは、翌日バックカントリーガイドをしてくれる“
EVERGREEN OUTDOOR CENTER ”の基地でバックカントリーの基礎講習会。
講師は代表のデイヴィッドさん。日本に16年も住んでるカナディアンだ。
ビーコンの使い方を練習したり、雪崩のメカニズムを座学で教わる。
このEVERGREENの基地の地下にはなんとスケートボードのミニランプとボルダリングのウォールがある!
若手社員はスケート、オレはボルダリングに興じた。
最初、調子良かったが、後半は握力がなくなってボロボロだったが、なんかちょっと病みつきになりそうな予感。
翌日。
目を覚ますと、雨。
予報では回復傾向らしいが、まだ雨足は強い。
ホテル前にあるEVERGREEN OUTDOOR CENTERのビジターセンターでレンタルの装備をパッキングし終わる頃には、雲の切れ間から青空が覗きはじめた。
前日の雨も、標高の高いところでは雪だったらしく、予定を変更して、八方尾根の上から白馬池を目指すこととなった。
ゴンドラ1本、リフト2本と乗り継ぎ、最上部ゲレンデのリーゼングラートからバックカントリーを目指す。
スノーシューを履き、ボードをザックにセットして登り始める。
登りだしはややガスがかかっていて周りの景色は見えなかったが、途中から雲が抜け、青空と白銀の山々のパノラマが姿を現した。
目の前には無垢の雪原、眼下には雲海。まさかこの時期にこんな光景を目にできるとは!!
汗だくになり何度か小休止をとりながら約2時間のハイクアップで、目的地である八方池に到着。
池と言ってもこの時期には水面は見えないが夏場は前方の白馬三山が水面に映し出される絶景ポイントとして有名らしい。
ちなみに白馬三山は白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬(しろうま)岳。
最高峰の白馬岳が2932mで、今自分たちがいるポイントは2000mちょい。
八方尾根のゲレンデ最上部1800mから2時間がかりで標高差200mしか登っていない。
それを考えると2900mってどんななんだ?想像もつかない。
時折、ゴーっという音が聞こてくえる。
ガイドのデイヴィッドさんが
「あれは雪崩の音です」
という。
日差しが直接当たっている南斜面には、降り積もった新雪が雪崩れ始めているらしい。
向こうの斜面を見ると、雪崩れた部分が至る所に見える。
黄砂で汚れた残雪がむき出しとなっている。
もし前日に雪が降っていなかったら、自分たちが立っているこの場所ももっと茶色い雪面だったに違いない。
思わず拍手を打って山の神様にお礼をした。
ランチを終えて、雪の安定を見るためにピットを掘る。
10数センチの新雪の下はがちがちに固まった残雪。
斜度の浅いところで雪崩れるリスクは少ないようだ。
雪の安定している北斜面に立ち、デイヴィッドさんトラックを追って一人ずつ滑り降りる。
自分の番。
ノートラックの斜面にダイブする
思ったより軽い雪質。
板も走る。
思わず声が出る。
下で待っている仲間も
「イェー!」「ナイスラン!」
と迎えてくれる。
最っ高!!!!
無風・快晴という最高の天気の中、まさかの新雪パウダー。
さらに2本の斜面を滑り歓喜の一同。
「デイヴィッドさん、この後どういうルートで戻るんですか」
「今滑った斜面を登って第3ケルンに戻ります」
え?うそ?まじッスか?
いい距離滑りましたけど。
しかもいい斜度…。
仕方ない。
登るしかない。
滑った時はかなりハイテンションだったが、登り返しはかなりの苦行。
照りつける日差しに汗が吹き出る。
だんだん太ももの筋肉も張ってきた。
乳酸が溜まってきたようだ。
約1時間ぐらいかけて登りきった時には脚がプルプル。
正直しんどかった。
でも爽快。
本当に天候に恵まれた。
後は斜度のゆるいところをトラバースして、板に履き替えゲレンデに滑り降りるだけだ。
この時、既に4時。
ゴンドラで帰るには5時までにゴンドラ乗り場に行かなければならない。
しかし、ゴンドラ乗り場に着いたのは5時ちょっとすぎ。アウト。
ゲレンデを途中まで滑って降りて、雪が無くなるところから歩いて下るしかない。
ふつうならゲレンデを滑るのはぜんぜんOKだが、もう脚が攣る寸前。
ざくざくの春雪が太ももをいじめる。
リーゼンスラロームコース途中まで滑り降り、その先は名木山ゲレンデまで歩いて下る。
疲れた脚で下り坂を降りるのがこんなに辛いとは。
ひーひー言いながら山麓まで戻った。
いやぁ、すばらしかった。
最後は泣きそうなくらい辛かったが、それも含めてすばらしかった。
白馬に感謝。
山の神様に感謝。
また、いつかチャレンジしたい。
これにて今シーズンの滑り収め。
Peace out!