2010年02月06日
CATで雪乗り 後編
いよいよCATツアーがはじまる。
実は今回のメンバー、田中ケンさんとその仲間たち(自分も入れて)が9名と、その他に関西からお越しのスキーヤー3名の合計12名。
ガイドは竹内正則さんの他に、これまたスケートボード界のレジェンドでありプロスノーボーダーでもある豊田貢さん、そしてもう一人、BURTON所属のプロスノーボーダー星野俊さんの3名だ。
全員ビーコンを装着して、まずはブリーフィング。
チーフガイドの竹内正則さんからコンディションの説明がある。
「数日降っていなかった雪の上に、昨日一晩で腰以上の雪が積もってます。降りたてですから雪の層の結合が弱く、雪崩れやすい状態です。状況を見ながら滑る斜面を案内しますのでガイドの指示に従って注意して滑ってください」
「はい!」
と一同返事をしてCATに乗り込む。
ちなみに光ヶ原はスキー場ではない。
冬季閉鎖となっている道路上をCATは進んで行く。
この道路も当然雪で埋もれていて、どこが道なのかわからない。
CATオペレーターさんが、GPSと長年の勘で道を切り開きながら進んでいるのだ。
およそ40分程、CATに揺られ最初のポイントに到着。
思った以上に雪が積もっている。
滑り出せる斜度の場所まで雪をかき分け歩く。
「まずは1本目なので、雪の深さを確かめながら滑りましょう。僕が先に道付けますので、ラインを絡めながらフォローしてください」
という説明の後、次々と滑り込んで行く。
先日のニセコと違って、雪は重い。
気を抜くと失速しそうになる。
スピードを落とさないように気をつけて、程よい間隔のツリーを抜け、沢地形に入る手前の尾根に先に出た人たちがステイしているのが見えて一旦停止。
竹内さんから
「そこから沢沿いに滑り降りるとCATロードに出られます」
という指示がでる。
前の人との間隔が空いたことを確認して滑り出す。
ところが、沢の出口の一番狭いところで先に行った人がスタックしている。
手前にストップして先が空くのを待っていると、後から滑って来た人がオレの後ろで転んで腰まで埋まった。
さらに沢の山側を後からきた人が横切った直後にプチ雪崩が発生。
崩れた雪が沢筋にいたオレらに向かって落ちてきた。
オレは腰まで埋まり、転んでた人は肩まで埋まった。
落差10mぐらいのプチ雪崩とはいえ身動きがとれなくなる。
なんとか板を脱いで抜け出し、埋まった人を助けてCATロードに出た。
一本目から大汗かいた。
CATに乗り込んで次の斜面に向かう。
2本目は急斜面。
バーチカルドロップ(垂直距離)でおよそ120m。
どこを降りてもCATロードに出られるし、スタックする心配もない。
お客さんたちを先に送り出して、後から滑る。
誰も滑っていないルートをチョイスしてノートラックの雪面にダイブする。
「快…感っ(by薬師丸ひろ子)」
と心の中で呟く。
今回は竹内さんがしんがりを滑るようなので、下からそね滑りを見学する。
柔らかくスムーズで且つスピードがある。
何度見ても美しい。
やはり憧れの滑りだ。
その後、S字に走るCATロードをショートカットするように滑り降りて、CATの停車しているところまで滑る。
再度CATに揺られ午前最後のスロープへ。
タイトめのブナ林を抜けて杉林まで、地形の変化が楽しめる。
ただしやや斜度が緩めでスピードを落とさないように滑らないとスタックしそうになる。
やはりパウダーを滑り馴れていない方々が所々にスタックしている。
申し訳ないが助けようとすれば自分もスタックしそうなので、一気に滑り降りる。
なかなか降りてこない仲間の行方に少しハラハラしながら待っていると、ガイドの豊田さんが最後のメンバーをサポートしながら降りてきた。
その方は雪まみれで、肩でハァハァ息しているのに、満面の笑み。
これってやっぱりパウダーズ・ハイ?
たしか自分にもそんな経験がある。
高原の中にぽつんと佇む建物に入ってランチ。
冬は当然営業していないが、夏場はトレッキングの方々が宿泊できる施設らしい。
このCATツアー用に特別に貸してもらっているのだ。
リビングの灯油ストーブと、薪ストーブに火が入る。
ゴーグルやグローブを乾かしながら火の周りで食事をとる。
午後になると、気温も下がり少し雪もドライになった気がする。
だが雪が降り止む気配はない。
標高1200mのピークまでCATに揺られて到着。
晴れていれば、西には妙高高原、北は日本海、南は野沢温泉まで見渡せる大パノラマが広がっているはずだが、降り続く雪に景色らしい景色は見えない。
田中ケンさんたちに見せてあげたかったが残念。
まぁこれも自然の姿。
午後からも3セッション。
特に最後の2本は最高だった。
パウダーに馴れてきたケンさんの滑りもスムーズになってきたし、スキーヤーの方々もナイスなラインでスプレーを飛ばしている。
木々をすり抜ける躍動感。
無垢の雪面から受ける柔らかな抵抗。
スピードが乗るにつれて浮き上がるノーズ。
重力の束縛から解き放たれたかのような落下。
日常では味わうことが出来ない体験がここにはある。
1日でわずか6本。
しかし密度の濃い6本。
まだまだ奥は深い。
この6本をより楽しむためには、もっとスキルアップしなければ。
Peace out!
実は今回のメンバー、田中ケンさんとその仲間たち(自分も入れて)が9名と、その他に関西からお越しのスキーヤー3名の合計12名。
ガイドは竹内正則さんの他に、これまたスケートボード界のレジェンドでありプロスノーボーダーでもある豊田貢さん、そしてもう一人、BURTON所属のプロスノーボーダー星野俊さんの3名だ。
全員ビーコンを装着して、まずはブリーフィング。
チーフガイドの竹内正則さんからコンディションの説明がある。
「数日降っていなかった雪の上に、昨日一晩で腰以上の雪が積もってます。降りたてですから雪の層の結合が弱く、雪崩れやすい状態です。状況を見ながら滑る斜面を案内しますのでガイドの指示に従って注意して滑ってください」
「はい!」
と一同返事をしてCATに乗り込む。
ちなみに光ヶ原はスキー場ではない。
冬季閉鎖となっている道路上をCATは進んで行く。
この道路も当然雪で埋もれていて、どこが道なのかわからない。
CATオペレーターさんが、GPSと長年の勘で道を切り開きながら進んでいるのだ。
およそ40分程、CATに揺られ最初のポイントに到着。
思った以上に雪が積もっている。
滑り出せる斜度の場所まで雪をかき分け歩く。
「まずは1本目なので、雪の深さを確かめながら滑りましょう。僕が先に道付けますので、ラインを絡めながらフォローしてください」
という説明の後、次々と滑り込んで行く。
先日のニセコと違って、雪は重い。
気を抜くと失速しそうになる。
スピードを落とさないように気をつけて、程よい間隔のツリーを抜け、沢地形に入る手前の尾根に先に出た人たちがステイしているのが見えて一旦停止。
竹内さんから
「そこから沢沿いに滑り降りるとCATロードに出られます」
という指示がでる。
前の人との間隔が空いたことを確認して滑り出す。
ところが、沢の出口の一番狭いところで先に行った人がスタックしている。
手前にストップして先が空くのを待っていると、後から滑って来た人がオレの後ろで転んで腰まで埋まった。
さらに沢の山側を後からきた人が横切った直後にプチ雪崩が発生。
崩れた雪が沢筋にいたオレらに向かって落ちてきた。
オレは腰まで埋まり、転んでた人は肩まで埋まった。
落差10mぐらいのプチ雪崩とはいえ身動きがとれなくなる。
なんとか板を脱いで抜け出し、埋まった人を助けてCATロードに出た。
一本目から大汗かいた。
CATに乗り込んで次の斜面に向かう。
2本目は急斜面。
バーチカルドロップ(垂直距離)でおよそ120m。
どこを降りてもCATロードに出られるし、スタックする心配もない。
お客さんたちを先に送り出して、後から滑る。
誰も滑っていないルートをチョイスしてノートラックの雪面にダイブする。
「快…感っ(by薬師丸ひろ子)」
と心の中で呟く。
今回は竹内さんがしんがりを滑るようなので、下からそね滑りを見学する。
柔らかくスムーズで且つスピードがある。
何度見ても美しい。
やはり憧れの滑りだ。
その後、S字に走るCATロードをショートカットするように滑り降りて、CATの停車しているところまで滑る。
再度CATに揺られ午前最後のスロープへ。
タイトめのブナ林を抜けて杉林まで、地形の変化が楽しめる。
ただしやや斜度が緩めでスピードを落とさないように滑らないとスタックしそうになる。
やはりパウダーを滑り馴れていない方々が所々にスタックしている。
申し訳ないが助けようとすれば自分もスタックしそうなので、一気に滑り降りる。
なかなか降りてこない仲間の行方に少しハラハラしながら待っていると、ガイドの豊田さんが最後のメンバーをサポートしながら降りてきた。
その方は雪まみれで、肩でハァハァ息しているのに、満面の笑み。
これってやっぱりパウダーズ・ハイ?
たしか自分にもそんな経験がある。
高原の中にぽつんと佇む建物に入ってランチ。
冬は当然営業していないが、夏場はトレッキングの方々が宿泊できる施設らしい。
このCATツアー用に特別に貸してもらっているのだ。
リビングの灯油ストーブと、薪ストーブに火が入る。
ゴーグルやグローブを乾かしながら火の周りで食事をとる。
午後になると、気温も下がり少し雪もドライになった気がする。
だが雪が降り止む気配はない。
標高1200mのピークまでCATに揺られて到着。
晴れていれば、西には妙高高原、北は日本海、南は野沢温泉まで見渡せる大パノラマが広がっているはずだが、降り続く雪に景色らしい景色は見えない。
田中ケンさんたちに見せてあげたかったが残念。
まぁこれも自然の姿。
午後からも3セッション。
特に最後の2本は最高だった。
パウダーに馴れてきたケンさんの滑りもスムーズになってきたし、スキーヤーの方々もナイスなラインでスプレーを飛ばしている。
木々をすり抜ける躍動感。
無垢の雪面から受ける柔らかな抵抗。
スピードが乗るにつれて浮き上がるノーズ。
重力の束縛から解き放たれたかのような落下。
日常では味わうことが出来ない体験がここにはある。
1日でわずか6本。
しかし密度の濃い6本。
まだまだ奥は深い。
この6本をより楽しむためには、もっとスキルアップしなければ。
Peace out!
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Posted by BINGO☆ at 12:34│Comments(6)
│雪乗り
この記事へのコメント
こんちは
こんなの見ちゃうとたまんないすね。
来年はやっぱビーコン買わないと。
ふぅ・・・いくらでも道具いるですなぁ^^;
こんなの見ちゃうとたまんないすね。
来年はやっぱビーコン買わないと。
ふぅ・・・いくらでも道具いるですなぁ^^;
Posted by drunkwhale at 2010年02月06日 15:34
>2010年02月06日 15:34
>ドラりん
関西からのお客さんもけっこう多いですよ。
ぜひ!
CATじゃない本格的なバックカントリーはじめるにはビーコン、プローブ、ショベル、スノーシュー、GPS…ひと財産使っちゃいますね。
>ドラりん
関西からのお客さんもけっこう多いですよ。
ぜひ!
CATじゃない本格的なバックカントリーはじめるにはビーコン、プローブ、ショベル、スノーシュー、GPS…ひと財産使っちゃいますね。
Posted by BINGO☆ at 2010年02月06日 22:49
CATかっくぃぃぃwwww
しかしほんと自然は怖いですね!
無事で何よりですよ!ほんと!
しかし緊張感ある楽しみ覚えたら抜け出せないですねww
しかしほんと自然は怖いですね!
無事で何よりですよ!ほんと!
しかし緊張感ある楽しみ覚えたら抜け出せないですねww
Posted by syku at 2010年02月08日 11:43
>Sykuくん
CATかっくいいでしょ!!!!
動いてるの見るとさらにかっこいいよ。
プチ雪崩れはぜんぜんたいしたことなかったけど、
あれが本雪崩れだったらと思うとぞっとします。
大自然の中で遊ばせてもらっていることの怖さと楽しさ。
奥が深いです。
CATかっくいいでしょ!!!!
動いてるの見るとさらにかっこいいよ。
プチ雪崩れはぜんぜんたいしたことなかったけど、
あれが本雪崩れだったらと思うとぞっとします。
大自然の中で遊ばせてもらっていることの怖さと楽しさ。
奥が深いです。
Posted by BINGO☆ at 2010年02月08日 13:15
ドモッス
スゴイ面子ですね^^
自分もプチ雪崩に遭遇したことがありますが
今考えてもゾッとします。
大事故は常に隣り合わせですからね^^;
サーフィンも同じく・・・
パウダー喰いたいっす^^
スゴイ面子ですね^^
自分もプチ雪崩に遭遇したことがありますが
今考えてもゾッとします。
大事故は常に隣り合わせですからね^^;
サーフィンも同じく・・・
パウダー喰いたいっす^^
Posted by 風空 at 2010年02月08日 21:42
>風空くん
どもども。
ゲレンデ滑ってる分には、まぁ死ぬ確率は低いんですが、
やっぱり自然の中だと、何があるかわかりませんね。
サーフィンも同じく…。
今年は、パウダー当たり年だよ!
れっつらごー!!!
どもども。
ゲレンデ滑ってる分には、まぁ死ぬ確率は低いんですが、
やっぱり自然の中だと、何があるかわかりませんね。
サーフィンも同じく…。
今年は、パウダー当たり年だよ!
れっつらごー!!!
Posted by BINGO☆ at 2010年02月08日 23:16
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